在宅と出社を行き来しながら、毎日オンライン会議と打ち合わせがぎっしり。
一応すべて録音しているけれど、あとで聞き返す時間までは取れない——。
最近の悩みとしてよく出てくるのが、
- 議事録作成に何時間もかかる
- インタビューや取材の文字起こしが追いつかない
- 「録るだけ」でデータがたまっていく
といった、“記録はしているのに、まったく生活が楽になっていない”問題です。
このモヤモヤに対して、ここ1〜2年で一気に存在感を増しているのが、AIボイスレコーダー「Plaud Note / Plaud NotePin」シリーズです。
録音した音声をAIが自動で文字起こし・要約までしてくれるガジェットとして、各種比較記事でもピックアップされる代表格になっています。
この記事では、とくに最新ガジェット寄りの「Plaud NotePin」にフォーカスし、
- そもそも何ができるのか
- スマホの録音アプリと何が違うのか
- 本当に議事録づくりの負担は減るのか
- どんな不満や注意点があるのか
を、生活導線の変化という視点で整理していきます。
Plaud NotePinとは?ポケットサイズの「AIメモ係」
名刺より小さい“身につけるAIボイスレコーダー”
Plaud NotePin は、ラペルマイクのように服やバッグにクリップして使う、小型のAIボイスレコーダーです。
主な特徴はこんなイメージです。
- 約名刺半分〜三分の一くらいのサイズ感
- クリップでシャツ・バッグ・ストラップなどに留められる
- ボタン一つで録音スタート
- 本体には数十GBクラスのストレージを内蔵
- スマホアプリと連携し、クラウドへ自動アップロード
「いかにも録音しています」という見た目ではなく、アクセサリー寄りのデザインで、外出先でも出し入れの手間が少ないのがポイントです。
AIがやってくれること:録音 → 文字起こし → 要約
Plaud Note / NotePin シリーズ共通の“肝”は、録音データをAIが処理してくれる部分です。対応モデルやプランにもよりますが、代表的にはこんな機能が用意されています。
- 会議や講義をそのまま録音
- クラウドにアップロード
- AIが自動で
- 文字起こし(112言語以上に対応するモデルも)
- 話者ごとの分離・ラベル付け
- 要約(箇条書きの議事録形式など)
- ToDo・決定事項の抽出
つまり、「録音したあとに自分で全部書き起こす」工程を、大部分AIに任せられるというのが最大のポイントです。
なぜ「ガジェットとして」持つのか?スマホとの違い
「それ、スマホの録音アプリでも良くない?」という疑問もよくあります。
専用ガジェットとしてのメリットとしては、各種レビューや比較記事から、次のような点がよく挙げられています。
- 専用マイク&ノイズ対策で、音質と聞き取り精度が安定しやすい
- 会議中にスマホを触らなくていい(通知やLINEを見ずに済む)
- ポケットや襟に付けっぱなしで、録音開始操作がワンタッチ
- 端末+クラウド+アプリまで含めて「録音〜要約」導線が作り込まれている
スマホでも似たことはできますが、
「毎回アプリを開くのが面倒」「設定や連携を自分で整えるのがつらい」という“人間側の面倒くささ”を、ガジェットで吸収しているイメージです。
生活はどう変わる?Plaud NotePinが効くシーン
ここからは、具体的な生活シーンごとに、どこがどう楽になるのかを見ていきます。
テーマはこのブログの軸でもある 「時短 × 負担の軽減 × ストレスを減らす」 です。
① 会議・オンラインMTG:議事録作成の“重さ”を減らす
Before
- 会議終了後、1〜2時間かけて録音を聞き直しながらWordに打ち込む
- 「あの発言、誰が言ったんだっけ?」と何度も巻き戻す
- 結局、議事録のために残業…
After(Plaud NotePinあり)
- 会議中はボタン一つで録音 → そのまま進行に集中
- 終了後、アプリに自動で文字起こし+要約が上がってくる
- その要約をベースに、最後のチェックと追記だけして配布
AIボイスレコーダーを紹介するサイトの検証では、
「議事録作成にかかる時間が3分の1程度になった」といった声も紹介されています。
もちろん、チェックや修正は人間の仕事ですが、
ゼロから書き起こすのと、“たたき台を手直しするだけ”では、時間と気力の消耗がまったく違います。
② 取材・インタビュー・営業:話に集中しやすい
ライターや営業職の人がよく挙げるのが、
- メモを取ると相手の話を遮ってしまう
- 後から聞き返そうとしても、どこに何があるか分からない
といった悩みです。
Plaud NotePinなら、
- “記録はAIに任せて、会話に集中”できる
- アプリ側で話者ごと・案件ごとに並び替えができる
- 要約とともに残るので、「あの案件どうなったっけ?」の振り返りがしやすい
など、「頭を使う仕事にだけ集中できる導線」を作りやすくなります。
③ 授業・セミナー・資格勉強:復習のハードルを下げる
学生や社会人学習向けのレビューでは、
- 授業を録音 → 文字起こし → 要約で復習
- セミナー資料と一緒にノートとして保管
- 外国語の講義を母語で要約してもらう
といった使い方が紹介されています。
「全部をちゃんと聞き直して復習する」のはハードルが高いですが、“AIの要約だけでも読む”という選択肢ができることで、復習のハードルが大きく下がるのがポイントです。
④ 家庭の会話・育児ログ:軽い「記録の安心感」
一部のユーザーは、家族との会話や育児ログにも使っています。
- 保育園の先生とのやりとり(お迎え時など)
- 子どもとの会話で気になったフレーズ
- 親の介護に関する説明
などを録音しておき、あとから必要なときにだけテキストを検索して振り返る、といった使い方です。
毎日きっちり日記を書くのは大変でも、「とりあえず録っておけば、必要なときに思い出せる」という軽い安心感は、メンタル的にもかなり大きいはずです。
みんなの声:どこが評価され、どこに不満が出ている?
良い評判として多いポイント
各種レビュー・口コミを整理すると、評価されやすいポイントはおおむね共通しています。
- 録音から文字起こし・要約までの流れがスムーズ
- ノイズが多い会議室でも、声はそこそこ拾ってくれる
- アプリ側で議事録風に整えてくれるので、配布が楽
- 長時間バッテリー&スタンバイで「充電を気にする頻度が少ない」
- 112言語以上に対応するモデルもあり、外国語ミーティングで助かった
特に、議事録づくりが仕事のボトルネックになっていた人ほど、満足度が高い印象です。
不満の声で多いポイント
一方で、辛口レビューや低評価コメントに多いのが次のようなポイントです。
- 「100%完璧を期待しすぎた」ことによるギャップ
- 専門用語や固有名詞の誤変換
- 早口の人の発言が追いつかない
- 完全な原稿レベルを期待すると「物足りない」
- 月額課金・サブスクのコスト感
- 本体価格+AI機能の利用で月額料金がかかるプランもある
- 無料枠(例:月300分など)を超えると追加費用が必要
- 録音時間が多い人ほどランニングコストが重く感じる
- 環境によって精度が変わる
- 雑音が多い現場や、複数人が同時に話す場面では精度が落ちる
- マイクの向きや距離しだいで聞き取りが変わる
- 「スマホでもできるのでは?」という迷い
- NottaなどのAI文字起こしアプリ単体でもある程度はできるため、
「専用機を買う必要があったのか?」と迷う声もあります。
- NottaなどのAI文字起こしアプリ単体でもある程度はできるため、
AIボイスレコーダーの注意点と限界
① 「AIだから間違えない」は誤解
口コミ分析では、低評価の約4割が、
「誤字がある時点で使えない」「AIなら間違えゼロで当然」
という“完璧さへの期待”から来ているとされています。
現状のAI文字起こしは、良い条件でも9割台前半〜中盤の精度とされることが多く、
- 重要な会議
- 契約や法律的な文書の元になる議事録
といった場面では、最終チェックは必ず人間が行う前提で考えておくのが現実的です。
② 本体価格+サブスクで「いくらまでなら許容か」を決めておく
Plaudシリーズは、本体価格にくわえてAIクラウド利用のサブスクプランが用意されています。
- 無料枠(例:月300分)までは追加費用なし
- それ以上録音する場合は有料プラン
という構成のサービスもあり、「たくさん使う人ほど料金がかさむ」という仕組みになっています。
購入前に、
- 仕事や勉強で、1か月に何時間くらい録音しそうか
- その“時短効果”に、どれくらいお金をかけてもいいか
をざっくりイメージしておくと、後悔が少なくなります。
③ プライバシーと録音マナーは必ず意識したい
スマートグラスのレビューでも指摘されるように、「いつ誰を録音しているか分かりにくいガジェット」には、プライバシーの懸念がつきまといます。
AIボイスレコーダーも同様で、
- 会議参加者に録音の有無を共有する
- 相手の許可なく個別の会話を録音しない
- データの保管・共有範囲を社内規定に合わせる
といった基本的な配慮は欠かせません。
便利さと同時に、「相手の安心感」を守るガジェットの使い方を意識したいところです。
誰に向いていて、誰には向きにくい?
向いている人
- 会議やオンラインMTGが多く、議事録づくりがいつも後回しになっている人
- 取材・インタビュー・営業など、「話を聞く仕事」が多い人
- 社内共有のレポートを週に何本も書いていて、時間と気力が削られている人
- 資格勉強・語学学習など、復習用のログを残しておきたい人
- メモが苦手で、「まずは全部録って、あとで必要なところだけ見る」というスタイルが合いそうな人
こういう人にとっては、時間とメンタルの余裕を買うイメージに近いガジェットです。
向きにくい人
- 録音や議事録の量がそもそも少ない人
- 「サブスクを増やしたくない」「月額課金は絶対イヤ」という人
- 自分でメモを取ること自体が苦にならず、手書きで覚えるタイプの人
- プライバシーやクラウド利用に強い抵抗がある人
この場合は、まずは無料〜安価なAI文字起こしアプリから試してみて、
それで物足りなくなったら専用ガジェットを検討する、という順番でも十分だと思います。
最初に出てきた“モヤモヤ”に答える
ここまでの内容を、冒頭の疑問・不満に照らし合わせて整理してみます。
Q1. 「会議の議事録作成がつらい。AIガジェットで本当に楽になる?」
- ゼロから書き起こす時間は確実に減る可能性が高いです。
- AIが作った文字起こし+要約を“たたき台”として、
- 重要な部分だけ修正する
- 誤変換だけ直す
というスタイルに変えられます。
結果として、時間の節約だけでなく、「また議事録か…」という心理的な重さも軽くなりやすいはずです。
Q2. 「スマホの録音アプリと何が違うの?」
- 専用マイクで音質と聞き取り精度を確保しやすい
- ボタン一つで録音できるため、「アプリを開く」という小さな手間が消える
- 録音→クラウド→文字起こし→要約→共有までの導線が最初から整っている
スマホアプリ+別サービスでも似たことはできますが、“細かい設定や連携を考えなくていい”という意味で、生活導線がかなりシンプルになります。
Q3. 「どうせ高いガジェットを買っても、宝の持ち腐れになりそう…」
ここは、用途と録音時間のイメージを先に言語化しておくかどうかが分かれ目です。
- 週に1回、30分だけ会議を録音する
- 毎日2〜3時間、複数会議を録音する
では、価値の感じ方もコスト感も大きく変わります。
「自分の1時間はいくら相当か」をざっくりでいいので考えてみて、その時間短縮とサブスク費用を比較する、くらいの気楽な考え方がおすすめです。
Q4. 「会話をずっと録音するのって、プライバシー的に大丈夫?」
- 録音の有無を場の全員に共有する
- 家族や友人との会話は、必要な場面だけ録音する
- 職場のルール(情報管理ポリシーなど)に合わせる
といった基本的なマナーを守ることが前提になります。
スマートグラスと同じく、周囲が“知らないうちに録られていた”と感じる状況を避けることが大切です。
まとめ:Plaud NotePinは「頭の外付けメモ帳」をくれるガジェット
最新ガジェットというと、つい派手な機能やスペックに目が行きがちですが、Plaud NotePinをはじめとするAIボイスレコーダーは、もっと地味で、生活寄りの存在です。
- 会議中、「メモを取り逃したらどうしよう」という不安が減る
- 議事録づくりのために夜を潰すことが減る
- 録音データの山に埋もれて「あの話、どこだっけ?」と探す時間が減る
- 家族や勉強のログを“無理なく残す”選択肢が増える
こうした変化の積み重ねが、「時間のゆとり」と「メンタルの軽い安心感」につながっていきます。
もちろん、
- 完璧な文字起こしではないこと
- サブスクを含めたコストがかかること
- プライバシーへの配慮が必要なこと
といった現実的な制約もあります。
それでも、「録るだけで終わる生活からそろそろ卒業したい」という人にとって、Plaud NotePinのようなAIボイスレコーダーは、2025年の“生活改善ガジェット”として、検討する価値のある選択肢のひとつと言えそうです。
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