最近のSNSを開くと、
- どこか人間離れした顔のショート動画
- 「◯◯してみた結果…」と語る、でも声が機械っぽいナレーション
- 「AIが作った◯◯」とハッシュタグが付いた画像
こうした投稿が、じわじわとタイムラインを占拠してきました。
海外の掲示板やSNSでも、「AIで作ったスロップ(ごちゃごちゃしたジャンクコンテンツ)をもう見たくない」というぼやきが増えています。
しかも2025年に入り、各プラットフォームは
- AI生成コンテンツにラベルを付ける(例:Instagramの「AI info」ラベル)
- AI動画をタイムラインから“減らす”ための設定を追加(TikTok など)
といった対応を進めています。
つまり運営側も、
「AIコンテンツは増やしたいけれど、ユーザーが疲れてしまうのは困る」
という状態になっているわけですね。
この記事では、
- AIまみれのタイムラインに疲れた人
- でも、SNS自体はやめたくない人
のために、「AI表示を減らしつつ、心の負担も軽くする」実践テクニックを、当サイト独自目線で整理していきます。
まずは「今どれくらいAIを見ているか」をざっくり把握する
いきなり設定画面に潜る前に、まずは自分のタイムラインを1〜2分だけ“観察”してみてください。
- 「AIっぽい画像・動画」は何件くらい流れてくるか
- AIナレーションっぽい動画が、どれくらい混ざっているか
- 明らかに広告やPRのAIコンテンツはどれくらいか
スクロールしながら心の中で、
「これはOK」「これはちょっと疲れる」
と、ざっくり仕分けしていきます。この“感覚の仕分け”をしておくと、
- どのアプリで
- どの種類のAIコンテンツを
- どの程度まで減らしたいのか
がはっきりして、あとで設定をいじるときにも迷いにくくなります。
SNS別・AI表示を減らすテクニック
ここからは、代表的なSNSごとに「公式が用意している仕組み」+「アルゴリズムへの伝え方」をまとめます。
※画面の文言や場所は、アプリアップデートで変わる可能性があります。大まかな考え方だけつかんでおいてくださいね。
TikTok:AI動画を減らせる公式スライダーを活用する
2025年11月以降、TikTokは「AI生成コンテンツをどの程度見たいか」を調整できるトグルをテスト・導入し始めました。
アプリの「設定」→「コンテンツ設定(Content Preferences)」→「トピック管理(Manage Topics)」の中に、
AI-generated content(AI生成コンテンツ)
に関するスライダーやトグルが追加されている場合があります。
- 「多め」→ AI動画も積極的に表示
- 「少なめ」→ AI動画は抑えめ
- 完全オフではないが、“見せる量を減らす”お願いができる
というイメージです。
さらに日々の使い方でも、
- AIっぽい動画はすぐにスワイプして最後まで見ない
- 興味がないAI動画は「興味なし(Not interested)」を選ぶ
- 人間の顔が映っているリアルな投稿や、好きなクリエイターの動画にはできるだけ「いいね」や視聴完走で反応する
ことで、レコメンドAIに“こういうのが見たい・見たくない”を教え直すことができます。
Instagram / Facebook:Meta AIとの“距離”を調整する
Meta系(Instagram / Facebook)は、
- 投稿に「AI info」などのラベルを付ける仕組み
- 検索やDMなどに「Meta AI」が顔を出す機能
など、AI要素がアプリのあちこちに散らばっている状態です。
完全に消すことはできませんが、「距離をとる」ことはできます。
① タイムライン:AIっぽい投稿を減らしてもらう
- 「おすすめ」タブでAI合成っぽい画像・動画が出てきたら、右上メニューから「この投稿に興味がない」「この類似投稿を減らす」等を選ぶ
- 逆に、リアルな日常写真や、知人の投稿を積極的に見る・いいねする
これを繰り返すと、レコメンドが少しずつ変わってきます。
② Meta AIを“静かにしてもらう”
セキュリティソフト企業やSNS運用サービスの解説によると、Meta AIを完全オフにはできないものの、
- Meta AIとのチャットをミュートする
- 「Ask Meta AI」のメニューから表示を減らす設定をする
- AIトレーニングへのデータ利用に異議申し立てをする(Privacy Center →「AI at Meta」から申請)
といった方法で、「積極的にAIに絡まれない」状態に近づけられると説明されています。
③ 自分の投稿の“AIラベル”との付き合い方
Instagramは、他社ツールで生成された画像をアップすると自動的に「AI info」ラベルを付ける場合があります。
ここは“ラベルを外すテクニック”ではなく、
- 「AIを使ったなら、潔くラベルも受け入れる」
- キャプションで「一部AIで加工しています」など軽く書いておく
ぐらいのスタンスの方が、自分も見る側もモヤモヤしにくいです。
YouTube:レコメンドAIを“ダイエット”させる
「AIナレーションっぽい解説動画が多すぎる…」という疲れは、YouTubeでもよく聞きます。
YouTube公式コミュニティやブログでは、
- 「低評価」や「興味なし」を押す
- 特定チャンネルをブロックする
- 視聴履歴・検索履歴を一時停止して、レコメンドをリセット気味にする
といった方法が、見せられる動画を変えるコツとして紹介されています。
特に、
「最近、よく分からないAIスライド動画ばかり出てくるな…」
と感じるときは、視聴履歴を一度止める・消すだけでも表示される動画の傾向がかなり変わることがあります。
X(旧Twitter):ミュート機能で“AIの波”を弱める
Xは、他のプラットフォームほど「AI専用のオフ設定」はありませんが、
- 「AIイラスト」「AIストーリー」など、自分がしんどくなるワードをミュート
- 特定のbotアカウントやAIコンテンツ発信が多いアカウントをフォロー解除・ミュート
- タイムラインを「おすすめ」ではなく「フォロー中」中心で見る
といった工夫で、自分の“視界”に入るAIコンテンツの量をかなり減らすことができます。
心の負担を軽くする「見方」の工夫
技術的な設定だけでなく、コンテンツとの向き合い方そのものを少し変えるだけでも、心の疲れ方が変わります。
① “AIかどうか”より“見てどう感じるか”に注目する
AIか人間かを見抜こうとすると、タイムラインを見るたびに推理ゲームモードになってしまい、疲れます。
- 見ていて楽しい
- 役に立つ
- 心がざわざわする
など、自分の感情のほうに注目して、
- 「なんかしんどい」と感じたら、AIかどうかに関係なくそっとスワイプ
- 「ほっとする」「おもしろい」投稿は、できるだけリアクションしてアルゴリズムに伝える
というシンプルなルールに切り替えるだけでも、かなり気持ちがラクになります。
② 「情報を取りに行く時間」と「ただ流す時間」を分ける
AI動画が多いのは、ながら見でぼんやりタイムラインを流しているときが多くありませんか?
- 情報が欲しいときは、キーワード検索やお気に入りクリエイターのページに行く
- ぼーっとしたいときは、「フォロー中タブ」だけにする など、
「探す時間」と「流す時間」を意識的に分ける
と、AIコンテンツに振り回される感覚が減ります。
それでもしんどいときの“距離のとり方”
設定をいじっても、見方を変えても、「やっぱりAIコンテンツ多すぎてつらい…」という時期はあります。
そんなときは、無理に“賢いSNSの使い手”を目指さなくてOKです。
- 一週間だけ、AI要素の少ないSNSやメッセージアプリに避難する
- スマホのホーム画面から、いちばん疲れるSNSアプリを一時的に外しておく
- 通知をすべてオフにして、「自分が開きたいときだけ開く」
海外の掲示板でも、「AIスロップだらけだから、むしろリアルな活動に戻りたくなった」
という声が増えてきています。
“距離をとる自分”を、責めなくていい。それも立派なセルフケア。
というのが、当サイトのスタンスです。
どんな人に、このテクニックが特に役立つ?
- 仕事や家事のスキマ時間に、ついSNSを開いてしまう人
- クリエイターやフリーランスで、「発信のためにSNSは必要だけど、AIコンテンツだらけの環境はしんどい」人
- 情報収集にSNSを使っているけれど、最近「何を見てもAIっぽくて信じきれない」と感じている人
こういう人にとって、「AI表示をゆるく減らす」=時間とメンタルの節約になります。
- タイムラインの“ノイズ”が減る
- 大事な人の投稿や、質の高い情報を見つけやすくなる
- 「またAIか…」という小さなストレスが減る
結果として、同じ時間SNSを触っていても、疲れ方が全然違うはずです。
よくある疑問と答え
Q1. 「完全にAIコンテンツを0にすることはできる?」
A. 現状の公式機能だけで“ゼロ”にするのは、ほぼ難しいです。
多くのプラットフォームは、AIコンテンツも含めてサービスを成り立たせているので、
- ラベル表示や量の調整
- 「興味なし」などのフィードバック
といったコントロールする手段は用意しても、完全オフスイッチは置かないことが多いです。
だからこそ、
「ゼロにする」のではなく、「自分が耐えられるラインまで下げる」
という考え方に切り替えるのがおすすめです。
Q2. 「AIコンテンツを減らすと、便利さも失う気がして迷う…」
A. “見るAI”と“使うAI”を分けると、バランスが取りやすくなります。
- タイムラインの“見せられるAIコンテンツ”は減らす
- 一方で、文章の下書きや画像のラフ案など、自分の作業を楽にする“裏方AI”はむしろ活用する
というように、
「受け身で浴びるAI」と「能動的に使うAI」を分ける
と、「便利さ」と「心の負担」を両立しやすくなります。
Q3. 「設定をいろいろ変えるのがめんどう…最低限これだけやれば?というラインは?」
最低限セットとしては、こんな感じです。
- いちばん疲れるSNSを1つだけ決める
- そのアプリで
- 「興味なし」やミュート機能を1日5回だけ使う
- 設定の「おすすめ」系オプションを一度見直す
- 一週間様子を見て、まだしんどければ
- 通知を全部切る
- ホーム画面からアイコンを一時的に退避させる
これだけでも、AIまみれ感・情報の洪水感はかなりマイルドになるはずです。
まとめ:AIを“追い出す”より、“配置し直す”という発想で
- SNSのタイムラインにAIコンテンツが増えているのは事実で、多くのユーザーが「AIスロップに疲れた」と感じ始めている
- 一方で、TikTokのAIコンテンツ量スライダーや、Instagram/FacebookのAIトレーニング設定、YouTubeの視聴履歴コントロールなど、AIを減らすための公式な手段も少しずつ増えてきている
- 完全にゼロにするのではなく、
- ミュート・「興味なし」・AI量スライダー
- フォロー中タブ中心の閲覧
- 通知オフ・一時的な距離取り
などを組み合わせて、自分にちょうどいい“AIの量”を作っていくことが大切
私としては、
AIをSNSから“追い出す”のではなく、「ここまでならOK」という位置に“配置し直す”ことで、タイムラインも心も、もう少し軽くなる。
そんな付き合い方が、これからのSNS時代をラクに生きるひとつの答えだと思っています。
「最近ちょっとAIまみれでしんどいな…」と感じているなら、今日のスクロールから、ほんの少しだけ“AIを減らす動き”を加えてみてくださいね。


